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「ことしのコスモスは全国的に開花が遅れております」。フラワー・トレインのガイドがもれ聴こえてきた。追いうちをかけるように、3日前、三浦半島を縦断した台風21号の影響でほとんどの花が枯れてしまっていた。首都圏に上陸した台風のなかで戦後最大級というのだから、それもわからなくもない。「まだ3割ほどつぼみも残っておりますので、最終日の花摘みまでには間に合いそうです」。フラワー・トレインのガイドはそうつけくわえていた。東京電力の送電線鉄塔9本が倒壊したというニュースを思えば、自然の力の偉大ささえ感じる。「MarronCoast Extra[Cosmos'02 Issue] Vol.3 No.C 2002」発行。
![]() 観光バスが押しよせてくる前にでかけたから、午前中のやさしげな光での撮影にも慣れていないせいか、全体的に白っぽい薄い画になってしまった。薄いといっても、色もだけど物理的に薄い花が多かった。多かったといっても、花自体ほとんどなかったのだけど。風がどのように舞っていたのかがわかるほどの、傷跡のほうが目立った。[10月5日(土)] レディオから聴こえてきた ♪I want you(英) という歌詞が、なぜだか ♪adventure(仏) なんて聴こえる夜(DJはその曲がぼくの生まれた年にスマッシュ・ヒットしたものだと解説していた。実際にはリマスタした音源からだったのでその時代の色は感じられなかった。Photoshopで彩度のレベルを上げすぎてしまったときのような感覚だった)。とても前向きな態度じゃないとはわかっているからなんだろうけど。新しいものによりもすでによく知っているものを求めてしまう自分がいる。新しいひとに出会うよりもすでによく知っているひとを求めてしまう自分がいる。よく知っているひとと付き合っているほうが安心だ。成長が止まってしまったあとでも背伸びしなくてすむ。「休みの日はどうしてるの?」とか、退屈な質問をしなくてすむ。とても前向きな態度じゃないとはわかっているはずなんだろうけど。他人を理解するということはとても時間がかかることだと思う。自分を理解してもらうのはとても時間がかかることだと思う。世界はとても早くまわりすぎる。おまけにぼくはスロー。なにをやらせたってノロマだ。もうそんな時間は訪れないのではないかと不安に思うことがある。とても前向きな態度じゃないとはわかっているつもりなんだろうけど。そんなことをまじめに思っているうちに、前向きな態度っていったいどんなだろうかと考えているうちに、眠れなくなってきてしまった。 けっきょく、前向きな態度とは、ものさしを捨てることだという結論に至った。[10月12日(土)] ゴジラ日本初上陸の現場へ行ってきた。核実験で汚染されたビキニ環礁からやってきたのは、いまからおよそ半世紀前のことらしい。それを記念して、かつてこの場所にはゴジラのすべり台がおかれていたと、旧いひとたちの話を聞いたことがある。それが、いまなぜ久里浜の丘の上に建っているのかがすごく疑問。どういう経緯でそうなったのか知っているひとがいたら、少しでも納得できる話を聞かせてほしい。 ![]() 半世紀前といえば冷戦の真っ只中。朝鮮戦争が収束に向かい、ベトナム戦争、キューバ危機、と超大国は次から次へと敵をみつけていた。政治的なことから多少宗教的な争いにフォーカスが移っただけで、世界はどう進歩したといえるのだろうか?数日前のことになるけど、ジョンが生きていたら62歳になったそうだ。彼が生きていたら、もう少しはまともな世界になっていたのかな。[10月14日(祝・月)] Flashを使ったり画像を多用したりしていたW杯のときほど派手じゃないけど、サッカー日本代表戦級ともなれば、ネットでほぼリアルタイムに途中経過がわかるのがいい。とはいえ、試合中に帰るとけっこう電車が空いているのもうれしい。どうせヴィデオ・デッキのタイマーもセットしてあるし。国立競技場の近くも通るそのガラガラの地下鉄に乗ると、スカートに商品タグをつけたままの女性がいた。声をかけてあげようかとも思ったけど、そのひとは友人たちといっしょにいたし、なにかの罰ゲームかとも思ったからやめておいた。夜の出来事だったし、1日中その格好でいたのかと思うと、奇妙な光景だった。あるいは、なんて残酷な世界。[10月16日(水)] きょうのレディオの選曲はなんだか精神的によかった。こんな自虐的なユーモアのセンスを要求される世界にあって、いつも側にいて癒しを与えてくれたのは音楽だった。音楽のない環境を考えてみた。3分だってまともなフリなんてできそうにない。[10月24日(木)] |